本記事では、勃起不全(インポ)になってしまう原因についてまとめていきます。勃起不全の原因には以下の3つがあります。個人個人で勃起不全となる原因には違いがあるため、その原因にあった対処が必要となります。
1つ目は、心理的な原因による勃起不全です。ストレスや過去のトラウマなどが原因となって勃起不全が引き起こされます。このタイプの勃起不全は若い世代でもなりやすいものです。
2つ目は、身体に原因がある勃起不全です。老化による衰え、生活習慣病、神経系の障害、手術や外傷。これらの身体へのダメージによって勃起不全となってしまうものです。
3つ目は、服用している薬が原因となる勃起不全です。神経系に作用がある一部の薬を常用することで適切な勃起や射精が出来なくなってしまいます。
ED治療薬はあくまでも対症療法であり、その場のみの解決手段に過ぎません。勃起不全を根本から治療するにはこれらの原因に正面から向き合う必要があります。
目次
勃起不全(インポ)とは?
勃起不全とは、いざパートナーとエッチな雰囲気になった時にペニスの勃起が上手くいかずに満足のいくセックスが出来なくなってしまう状態のことです。
勃起不全は男性性機能障害のひとつとされています。最近では勃起不全・EDという名称が定着していますが、以前はインポ(インポテンツ)と呼ばれていました。
医学的な厳密な定義においては、ED(Erectile Dysfunction)とインポ(Male Sexual Impotence)には違いがあるようです。しかし、日常生活においてはEDもインポも同じ勃起不全の状態を言い表す言葉として使用されています。
勃起不全(インポ)の原因は加齢だけじゃない
勃起不全というと、どうしても中高年の男性に特有の状態のようなイメージがあります。たしかに、年齢を重ねていくにつれて勃起がしづらい身体になっていくことが多いのは事実です。しかし、これは勃起不全のいち側面にすぎません。
勃起不全には加齢以外にもさまざまな原因があります。その原因いかんによっては、20代30代という若い世代においても、十分に発症しうるものです。男性であるならば、年齢に関係なく誰であっても他人事には出来ないもの。それが勃起不全ということですね。
以下、勃起不全(インポ)の原因について複数の視点からまとめていきます。
機能性勃起不全:心理的な要因による勃起不全(インポ)
勃起不全が発症してしまう原因の第一。それは心理的な要因による勃起不全です。機能性勃起不全、心因性勃起不全などと呼ばれるものです。
勃起不全の原因となるものが、身体にあるのではなく心・精神にあるというものですね。機能性勃起不全は、大きく分けて以下の2つに分類できるとされています。
日常生活におけるストレス
ひとつ目は、現実心因です。日々の生活からくる心的疲労・ストレスによって勃起不全になってしまうというものです。現実心因による勃起不全には以下のようなものがあります。
- セックスに強い苦手意識があり極度の緊張をしてしまう
- 借金の心配・不安などで心が休まっていない
- ストレスのある仕事で頭がいっぱいの状態である
- パートナーや家族との中が悪く心労を感じている
- 子どもをつくらなきゃというプレッシャー
このような日常生活におけるストレスが勃起不全の引き金となります。言う間もなく、このようなストレスは年齢関係なく誰しもが抱えうるものです。そのため、若い世代であっても現実心因による勃起不全に陥ってしまうことはよくあることです。
深層心理にあるトラウマ
機能性勃起不全のふたつ目は、深層心因です。現実心因は、自分でも認識できる日常生活にストレスが原因でした。一方、深層心因は自分でもなかなか認識できないより心の奥深くにある心理によって勃起不全が引き起こされるものです。具体的には次のようなものがあります。
- 幼少期の性的トラウマ
- 抑圧された憎しみ
- 知らずに抱えている嫉妬
- 母子分離不全
- 去勢恐怖
- エディプス・コンプレックス
- ホモ・セクシュアル
これらの深層心因は無意識に抱えているものであり、なかなか本人が自覚できるものではありません。なので、専門家とのカウンセリングなどを通してじっくりと原因を解明していく必要があります。現実心因と比べると治療しづらいものとなります。
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器質性勃起不全:身体に原因がある勃起不全(インポ)
心に原因があるのではなく、身体に原因がある勃起不全。それが器質性勃起不全です。以下に挙げるような原因によって健康を害してしまい、その結果として勃起不全になってしまうものです。いわゆる中高年の勃起不全は、この機能性勃起不全であることがほとんどです。
加齢
加齢は勃起不全となってしまう大きな原因のひとつです。年齢を重ねることによって、どうしても身体にはさまざまな障害が発症するようになります。それらが蓄積されることによって勃起不全が引き起こされてしまいます。
代表的な障害としては、動脈硬化による血管障害があります。これによって、ペニス周りの血流も悪くなります。その結果、海綿体への血液の流入が十分に行われずに勃起しづらい状況になってしまいます。
加齢は避けることのできないものです。しかし、普段から健康管理をしっかりすることにより対策をすることが出来るものです。健康を害することさえなければ、人間は80歳であってもED治療薬を使ってセックスをすることが出来るようです。
生活習慣病
生活習慣病も勃起不全の大きな原因のひとつです。
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- 心血管障害
これらは、日頃の暴飲暴食などの生活習慣がたたって発症するものです。これらの生活習慣病は、身体の血管や神経系にダメージを与えるものです。
生活習慣病になることは、いわば身体が老化してしまった状態と同じとなります。血の巡りが悪くなり、ペニス周辺の血行も悪くなります。その結果、勃起も満足に出来なくなってしまいます。
ED治療薬で一時的に勃起をすることは出来ます。しかし、それは場当たり的な対処法に過ぎません。根本治療のためには、食生活をはじめとする生活習慣の見直しがED治療の大前提となります。
神経系の障害
自律神経系の障害も勃起不全の原因となるものです。具体的には以下のようなものです。
- 脳出血
- 脳腫瘍
- 脳外傷
- パーキンソン病
- アルツハイマー病
これらの病気になると身体の神経の伝達が上手く出来なくなってしまいます。
勃起は、性的刺激を受容した脳の命令が身体の神経を介してペニスに届くことによって起こる現象です。そのため、この脳の信号をペニスへと伝える神経系に問題があると勃起をすることが難しくなってしまいます。
手術や外傷
手術や外傷(けが)によって勃起不全となってしまうこともあります。
たとえば、前立腺がんや膀胱がん、直腸がんなどでは摘出手術を受けることがあります。これらの摘出は、ペニスの海綿体の血管や神経におよぶこともあります。当然ですが、そのような場合は勃起をすることが出来なくなってしまいます。
また、交通事故やその他の怪我などで骨盤や脊椎を痛めてしまうことによって勃起が出来なくなってしまうこともあります。ペニスそのもの外傷と神経系の外傷の2パターンがあるようです。これらはその外傷が完治することによって、勃起機能も回復する場合がほとんどです。
薬剤性勃起不全:常用薬の服用による勃起不全(インポ)
機能性勃起不全と器質性勃起不全の他にも薬剤性勃起不全というものもあります。要は、服用している医薬品が原因となって勃起不全になってしまうものですね。勃起不全は命にかかわるような重大な病気とはみなされていません。
そのため、医薬品の副作用に勃起不全が記載されることはまれとなっています。そのため、知らず知らずのうちに服用している薬のせいで勃起不全になってしまうことがあるようです。薬剤性勃起不全を引き起す医薬品には以下の3パターンがあるとされています。
性欲低下を招く薬剤
1つ目は、服用することで性欲が減退してしまう医薬品です。神経系に作用することによって、性的刺激を脳が受容しても興奮できなくなってしまうというものですね。具体的には、次のようなタイプの医薬品が該当します。
- 前立腺がんなどの治療薬である男性ホルモン関連薬
- 向精神薬であるスルピリドなどのプロラクチン関連薬
- 躁うつ病の治療に使用されるドーパミンやセロトニンを抑制する薬
副交感神経の働きを阻害する薬剤
2つ目は、副交感神経の働きを妨害し抑制させる効果のある医薬品です。勃起をするためには、副交感神経が優位となってリラックスした状態であることが求められます。なので、副交感神経を妨害する医薬品を服用していると勃起がしにくい状態となってしまいます。医薬品の具体例は次の通りです。
- 抗うつ薬や向精神薬のひとつであるアセチルコリンの分泌を抑制する薬
- 高血圧症の治療に使われるβ交感神経を活発化させる薬
- 抗炎症薬であるインドメタシンなどの勃起を促す重要な成分であるプロスタグランジンの合成を阻害する薬
射精障害を引き起こす薬剤
3つ目は、交感神経に働きかけ射精障害を誘発する医薬品です。適切な射精には、以下の3つの神経が関係しています。
- 交感神経
- 副交感神経
- 体性神経
これらの神経系のバランスが医薬品によって乱されてしまうと勃起不全となってしまいます。これにあてはまる医薬品の例を挙げます。
- 高血圧治療のα-メチルドパ
- 抗精神病薬のクロルプロマジンやフルフェナジン
- ハロペリドール
- 胃腸運動促進薬のスルピリドやメトクロプラミド
- 三環系抗うつ薬の塩酸イミプラミンや塩酸アミトリプチリン
- 塩酸クロミプラミン
まとめ:勃起不全(インポ)の原因を知り適切な対処を
勃起不全(インポ)は中高年の男性に特有の症状と思われがちです。しかし、実際のところは加齢の他にもさまざまな要因によって勃起不全は引き起こされます。そのため、年齢関係なく男性ならば誰でも勃起不全に悩まされる可能性があります。
勃起不全の原因の1つ目は機能性勃起不全です。これは心理的な要因による勃起不全です。ストレスや過去のトラウマによって勃起できなくなってしまうものです。若い世代でもこの日常生活や深層心理のストレスによって勃起不全になことはあります。
勃起不全の原因の2つ目は器質性勃起不全です。これは身体の障害などによって引き起こされる勃起不全です。加齢による老化。生活習慣病。神経系の障害。手術や外傷。これらの原因によって適切な勃起が出来なくなってしまうものです。
勃起不全の原因の3つ目は薬剤性勃起不全です。これは日常的に服用している医薬品の副作用が原因となって引き起こされる勃起不全になります。主に神経系に働きかける作用のある医薬品によって勃起不全が引き起こされます。
このように勃起不全にもその原因には色々あります。自分がなぜ勃起不全になったのかを把握し、的確に対処できるようにしましょう。
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