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ED(勃起不全)治療薬 シアリス

シアリスに含まれる有効成分

更新日:

シアリスの有効成分はタダラフィルです。タダラフィルには以下のような特徴があります。

  • PDE5という酵素の働きをブロックすることで勃起を促進する
  • 水に溶けにくい性質があり、身体への吸収に時間がかかる
  • 他のED治療薬と比べて、効果の継続時間が群を抜いて長い

このようなバイアグラやレビトラにはない独特な特徴を有しているのがシアリスの有効成分であるタダラフィルです。本記事ではそんなタダラフィルについてその概要をまとめていきます。

目次

シアリスの有効成分タダラフィルとは?

バイアグラ、レビトラに続きED治療薬として国内で正式に認可されたシアリス。その有効成分はタダラフィルです。タダラフィルには、バイアグラの有効成分であるシルデナフィル、レビトラの有効成分であるバルデナフィルと同様に、ペニスの勃起を促進する効果があります。

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シアリスには、タダラフィルの含有量によって以下の3つの種類があります。

  • 5mg
  • 10mg
  • 20mg

もちろん、タダラフィルの含有量が多いほうがより強力な勃起促進効果を期待できます。しかし、同時に副作用のリスクも増加する可能性があるので注意が必要です。

タダラフィルにはED治療薬以外にも以下の2つの用途があります。

  • 肺動脈性肺高血圧症治療薬(アドシルカ)
  • 前立腺肥大症治療薬(ザルティア錠)

タダラフィルには身体の血管を拡張させ血行を促進する効果があります。どこの血管を拡張させるかによってタダラフィルの医薬品としての用途が変わってきます。

  • シアリス:ペニスの血管を拡張させEDを治療する
  • アドシルカ:肺動脈を拡張させ肺動脈性肺高血圧症を治療する
  • ザルティア錠:前立腺や膀胱の血管を拡張して前立腺肥大症を治療する

このようにタダラフィル血行促進効果は、効き目がある部位によって3つの疾病の治療薬となります。

これら3つの医薬品は、同じタダラフィルを主成分であるものの、保険適用に関しては違いがあります。アドシルカとザルティア錠は保健適用が可能な医薬品ですが、シアリスは保険適用外の医薬品です。

ED治療薬としてタダラフィルを用いる場合のみ、全額を自分で負担しなければいけないということですね。この理由としては、EDという疾病が命にかかわる重大なものではないとされているからとのことです。

タダラフィルはいかに身体に作用するか?

タダラフィルの体内での作用の仕方は、他のED治療薬の有効成分と同じになります。タダラフィル、シルデナフィル、バルデナフィルのいずれもPDE5阻害薬と呼ばれるものです。

PDE5とは、ホスホジエステラーゼ5という酵素です。この酵素の働きを抑制するというのがタダラフィルなどED治療薬の有効成分の体内における働きとなります。

PDE5という酵素が体内で勃起をするために重要な役割を果たすcGMP(環状グアノシン一リン酸)という物質を分解し、勃起を抑制させてしまいます。PDE5が過剰に機能し、勃起が必要以上に抑制されてしまっている状態のことを勃起不全と呼ぶわけです。

勃起不全の諸悪の根源である活発化したPDE5。この働きをブロックし、勃起がしやすい状態をキープするというのがタダラフィルなどED治療薬の有効成分です。

タダラフィルと他のED治療薬の有効成分との違いは?

このように、タダラフィルもシルデナフィルもバルデナフィルも、基本的に体内における作用に関しては同じになります。しかし、成分としての分子構造が違います。

化学式であらわすと以下のようになります。

  • タダラフィル:C22H19N3O4
  • シルデナフィル:C22H30N6O4S・C6H8O7
  • バルデナフィル:C22H32N6O4S・HCI・3H2O

この分子構造の違いによって、シアリス、バイアグラ、レビトラの効果の違いは生まれてくることになります。

有効成分の分子構造による違いは、水への溶けやすさにあらわれます。

  • タダラフィル:水にほとんど溶けない
  • シルデナフィル:水にやや溶けにくい
  • バルデナフィル:水にやや溶けやすい

この水溶性の違いは、身体への吸収速度にも影響を与えます。それぞれの有効成分のTmax(血液中での濃度が最高になるまでの時間)は次の通りです。

  • タダラフィル:0.5~4.0時間
  • シルデナフィル:0.5~1.5時間
  • バルデナフィル:0.7~0.9時間

このように、他の有効成分と比べるとタダラフィルは身体への吸収がゆっくりとなっています。

シアリスの最大のセールスポイントは効果継続時間の長さです。それぞれのED治療薬としての効果継続時間は以下のようになります。

  • シアリス:20~36時間
  • バイアグラ:5時間程度
  • レビトラ:5~10時間

シアリスの作用時間が圧倒的なのが分かります。言わずもがな、このシアリスの効き目の長持ちさはタダラフィルの水溶性の低さに由来します。

身体への吸収がゆっくりであり、長い時間にわたって体内に留まり続け効果を発揮し続ける。このタダラフィルの特徴こそが、シアリスの効果継続時間の長さを担保しているということですね。

まとめ:タダラフィルの特徴

シアリスの有効成分であるタダラフィルは、体内においてバイアグラの有効成分であるシルデナフィルやレビトラの有効成分であるバルデナフィルと同じ働きをします。しかし、タダラフィルは他の有効成分と比べると水に溶けにくいという性質があるために、以下のような特徴を持っています。

  • 効果の即効性がなく効き始めるまでに時間がかかる
  • 効果の継続時間が長く他の有効成分を圧倒する作用時間がある

ED治療薬に即効性を求める人にとってはマイナスな要素となりますが、効果の作用時間の長さを重視する人にとっては最高となるのがタダラフィルです。

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