本記事では、ED治療としての外科手術のメリットとデメリットについてまとめていきます。ED治療を目的とした外科手術には、陰茎プロステーシス手術などがあります。これらの手術は、ED治療薬が効かない重度のEDにも効果がある有用性の高いED治療方法です。
しかし、外科手術によるED治療では、その「EDを克服できる」という利点とは裏腹に、看過しがたい欠点も存在します。陰茎プロステーシス手術を受けるにあたっては、これらのメリット・デメリットをしっかりと検討する必要があります。
目次
ED治療としての外科手術
ED治療というと、そのスタンダードはED治療薬の服用となります。バイアグラやレビトラ、シアリスなどの錠剤を服用するものですね。個人の体質によって薬との多少の相性はあるものの、大多数のED患者は治療薬の服用によって、十分な勃起を出来るようになります。
しかし、忘れてはいけないのは、ED治療薬の服用のみがEDの治療方法ではないということです。ED治療薬の他にも、海綿体注射、勃起促進器具、そして外科手術など、ED治療にはさまざまな選択肢があります。大事なことは、自分にぴったりの治療方法を選択するということになります。
バイアグラが効かないEDがある
もっとも手軽で手を出しやすいEDの治療方法は、バイアグラなどのED治療薬の服用になります。錠剤を飲むだけで、その1時間後にはギンギンの勃起をすることが出来るわけです。この扱いやすさゆえに、ED治療薬はED治療における絶対的な地位を獲得しています。
しかし、バイアグラなどのED治療薬でも状態が改善しないEDというのも存在します。それは、糖尿病の方や高齢者の方などに多い重度のEDです。
動脈硬化が悪化している場合には、いくらED治療薬を服用しても十分に勃起出来ない場合があります。その場合は、他の治療方法を模索しなければいけません。
ED治療の最終手段としての外科手術
「バイアグラも他のED治療方法も効かず、どうしようもない」
そのような場合に行われるED治療が、外科手術になります。代表的なものは、陰茎プロステーシス手術です。この手術の効果は絶大です。手術を受けた患者さんの95%程度が、術後に十分な硬さの勃起が可能となります。
もちろん、ペニスにメスを挿れることになるので、気軽に受けることのできるものではありません。
しかし、陰茎プロステーシス手術に代表される外科手術によるED治療は、重いEDに心悩まされている人にとっては人生の救いとなりうるものです。つらいEDに悩んでいる方には、ぜひとも検討してもらいたいものです。
外科手術によるED治療のメリット
以下、外科手術によるED治療のメリットとデメリットについてまとめていきます。
本記事で想定している外科手術は、陰茎プロステーシス手術になります。症例数こそ少ないものの、日本国内でも受けることの出来るED治療目的の外科手術になります。
そんな陰茎プロステーシス手術には、他のED治療方法にはない絶大なメリットがあります。誰にでもおすすめ出来るものではありませんが、一部の人にとっては他には代えがたい利点となるものです。重度のEDに悩んでいる人にこそ、チェックしていただきたい治療方法となります。
セックスが出来るようになる
陰茎プロステーシス手術の最大のメリットは、言うまでもなく「セックス可能なレベルの勃起が出来るようになる」ということです。
これは、バイアグラでは効果がないような重度で深刻な状態においても当てはまります。どのような状態のペニスであれ、セックス可能な硬さを手にすることが出来るということです。
糖尿病の方や高齢者の方は、動脈硬化が悪化し重いEDとなってしまうことがあります。そのような場合は、ED治療薬でも太刀打ち出来ません。
「もう一生セックスが出来ないのか…」
そんなふうに思い悩んでいる方の人生の希望の光となりうるのが、陰茎プロステーシス手術ということです。
ED治療薬が不要となる
「ED手術の手術方法と流れや術後完治まで」という記事にて詳しくまとめていますが、陰茎プロステーシス手術とは、ペニスに支柱となるシリコン棒を挿入する手術です。そのため、支柱が機能を果たしている限りは、いつでも好きなときに勃起状態になることが出来ます。
このため、陰茎プロステーシス手術後は、その後一生涯にわたって「勃起ができるかどうか」ということについて悩むことがなくなります。
そして、「勃起しない」という状態がなくなるため、バイアグラなどED治療薬もその一切が不要となります。下半身の悩みから解放されるということですね。
外科手術によるED治療のデメリット
ここまでまとめてきたように、特定の状態にあるEDに悩んでいる人にとっては、確実なメリットをもたらすものが陰茎プロステーシス手術です。
「陰茎プロステーシス手術を受けたほうが、残りの人生が幸せになる」
このようになる人が一定数で存在しています。
しかし、だからといって、陰茎プロステーシス手術は、誰にでも無条件でおすすめできるものではありません。以下にまとめるような、無視することの出来ないデメリットが存在します。陰茎プロステーシス手術を受けるにあたっては、以下のデメリットを受け入れる覚悟が必要となります。
自然な勃起が出来なくなる
陰茎プロステーシス手術における最大の欠点。それは、一度手術を受けると、その後は一切の自然な勃起が不可能になるということです。自然な勃起というのは、「性的興奮を脳が感じて、海綿体に血が流れ込み、ペニスが硬く大きくなる」というものです。
海綿体にメスを挿れ人工器具を設置することになるので、この自然な勃起は一切出来なくなります。
陰茎プロステーシス手術は不可逆なものであり、いざ後になってから「やっぱり元の状態に戻したい」と思ってもどうすることも出来ないものです。この点は、しっかりと認識しておきましょう。
高額な費用が必要となる
陰茎プロステーシス手術は、自由診療の医療行為です。つまり、健康保険の適用外であり、その手術費用は全額が患者負担となります。そのため、手術を受けるにあたっては、高額な費用を用意しなければいけません。
詳しくは、「ED手術にかかる手術費用はいくら?健康保険は適用する?」という記事にまとめています。
手術を行う医療機関によって費用には違いがあります。しかし、どれだけ安くとも50万円以上の出費は覚悟しなければいけません。陰茎プロステーシス手術を受けるにあたっては、「これだけの費用を捻出してまで人工的な勃起を手にしたいか」という自問自答が必要となります。
まとめ:ED治療としての外科手術はするべき?
陰茎プロステーシス手術に代表される外科手術によるED治療には、明確なメリットとデメリットが存在します。バイアグラなどのED治療薬のように、気軽に誰にでも「とりあえず試してみなよ」と言えるものではありません。手術を受けるにあたっては、熟考が必須となります。
場合によっては、その人の人生に大きな恩恵をもたらすのが外科手術によるED治療です。考えなしに選択肢から外すのは、大きな損失につながる可能性があります。自分のEDの状態と性生活に対する思いをしっかりと認識し、手術が必要であるかどうかを冷静に判断することが必要となります。
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